生徒を「守る」ことを重視し、1人1社の応募を基本とする学校のあっせんが長く主流となってきた高校生の就職活動。ただ活動の自由度を高める自治体も増えてきた。変化を踏まえて、早期から就職を見据えた教育をするべきだとする意見もあがっている。
応募は1人1社「生徒を守るため」
「生徒は企業の調べ方も社会のこともよくわかっていない。学校が間に入り、問題が起きないよう守る必要がある」。大阪府内の私立高校で進路指導を担当する教師はそう強調する。学校に届く求人票は、事前にハローワークの確認を受けていることも安心だという。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の堀有喜衣さんによると、学校による職業紹介の歴史は長い。卒業生の就職先は学校の威信に関わるため、戦前は高校だけでなく大学でも実施していた。進路指導の一環として行われたことから、指定校推薦のような「1人1社」の慣行が続いてきたとみられるそうだ。
堀さんは、生徒を守るために必要な制度だとして、今後も特段変える必要はないという立場だ。
厚生労働省の担当者も「たくさん応募できない生徒にも機会が渡る」「学校生活への影響を最小限にとどめる」などを、学校によるあっせんの利点として説明する。
一方、そうではない見方も出…